パルナ書房

京の表は壬生、裏に回れば島原の町の本屋~2013年4月でパルナ書房は閉店いたしました。

京都の美術専門出版社「青幻舎」を業界紙「新文化」にて紹介しました。

「パラパラブックス」ってご存じでしょうか?

パラパラめくると絵が動き出す・・・あれです。

この動画は、いま最も人気のあるパラパラブックスです。

世界的にも評価が高いようですよ。

 


フリップブック「もうひとつの研究所パラパラブックス」2 - YouTube

 

この作品、京都の美術専門出版社である「青幻舎」が手がけています。

新文化 出版業界紙の2014年3月20日号にて

この青幻舎の魅力をたっぷりと紹介いたしました。

 

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東京に一極集中化した出版業界にあって、

京都には個性的な出版社がたくさんあるのですが

なかでも青幻舎はなんとこの出版不況の中にあって、

近年、二桁成長を遂げているのです。

 

日本の出版業界は1996年をピークに売上を落とし続けて

一度も回復することなく現在に至っているのですが

青幻舎は販売先を書店のみならず、

美術館の展示販売所や百貨店の催事などの直販店を

500店舗以上も独自に開拓することで出版不況の中でも売上を順調に伸ばしています。

 

日本の出版業界の大きな特徴である委託販売制度は

戦後から出版業界が急速に拡大した半世紀までは見事に機能したのですが

売上減少に転じた現在では書籍の返品率が40%に達し

この委託販売制度も制度疲労といいますか、機能不全を起こしつつあります。

とはいえ委託販売制度は日本の出版業界が培った一つの財産

その功罪は出版業界の時代によって移ろいます。

新しい活用で利益を生み出す可能性はあるのではないか?

議論の分かれるところです。

 

青幻舎は前述の通り独自の直販ルートを開拓することで

結果的に取次ルートからの返品分も直販ルートの活用で

この返品問題を解消しています。

 

さらに「パリフォト」「NYアートブックフェア」といった国際ブックフェアにも積極的に参加しています。

なにしろ美術書や写真集には言葉の壁がありませんからね。

 

しかし、国際ブックフェアは単純に販売するだけが目的ではないのです。

欧米では多国籍の企業が参画する国際共同出版が普通の商習慣として行われています。

特に美術書はどうしても高コストになりがち、

共同出版することで質の高い書籍を低コストで出版できるのです。

 

こうした努力が売上高、二桁成長の結果となりました。

そしてその経営の安定が先鋭的な美術書の出版を可能にし、

無名の新人発掘へとつながります。

 

例えば

会田誠 天才でごめんなさい」

その反道徳性にはドキドキさせられますね~

会田誠 天才でごめんなさい/”Monument for Nothing / I’m Sorry for Being Genius” Makoto Aida | 青幻舎 SEIGENSHA Art Publishing, Inc.

http://www.seigensha.com/wp/wp-content/uploads/2013/01/978-4-86152-369-4_001.jpg

 

わずか社員20数名の出版社ですが、

東京に支社、ロンドンに支局とそのスケールは大きい。

青幻舎はいま日本の出版社から世界の出版社へと変貌を遂げようとしているのです。

 

実は青幻舎は日本出版業界がまさに曲がり角を迎えようとした1995年に創業しました。

だからこそ成長期にできあがってしまった出版業界の慣習や固定観念にとらわれない、

斬新な経営戦略を実行できたのかもしれません。

 

さて取材を進めていくなかで京都の老舗出版社「京都書院」のお話しが出てきました。

残念ながらこの「京都書院」は既にありません。

三月書房さんのホームページによりますと

かつては京都の出版文化をリードしていたとのこと

三月書房販売速報合冊02号

京都書院ヴァージョンB/オーム社書店河原町店の遺跡: 三月記(仮題)

いつか機会があれば「京都書院」について調べてみたいと思います。

何かご存じの方はご一報ください。