パルナ書房

京の表は壬生、裏に回れば島原の町の本屋~2013年4月でパルナ書房は閉店いたしました。

特殊清掃と「婚活」時代(ディスカバー21)の意外な相関関係図〜格差社会4コマ漫画    店長

題して
格差社会4コマ漫画
はじまり、はじまり〜 お代は見てのお帰りだよ♪

「特殊清掃」という言葉をご存知ですか?

孤独死や自殺など、その死を誰にも看取られずに亡くなったために、
遺体が腐乱してしまい、その清掃をする専門業者の仕事です。

「特殊清掃」発行ディスカバー21
http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799310106

ではどうして"孤独死"といった悲しい結果をまねいてしまったのでしょうか?

そこに至る過程はあまりに悲惨なのでちょっとコミカルに格差社会を4コマ漫画で表現してみました。

1.格差社会

学歴格差がイコール親の収入格差であり、
その格差は固定化された日本社会の状況を見事に書いた書籍

希望格差社会山田昌弘

をメインにベストセラーとなった
下流社会三浦展も入れておきました。
山田昌弘氏、三浦展氏はこの後も格差社会をテーマとした本をたくさん書いておられます。


2.消費社会の変遷と企業の対応
80年代までは学歴に差はあれど、みな正社員として就職できました。
企業も終身雇用が当たり前で安定した所得が得られた社会でした。
一億総中流化という言葉もありましたね。
それが変わったのはバブル崩壊
そして現在に至る失われた20年の始まりです。

バブル崩壊以後の日本社会の変遷を見事に解説した
「デフレ社会の正体」藻谷浩介
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200811000451

バブル崩壊は90年ですが、実は98年まで内需拡大は続いていたということを数字で証明した本です。
本書には様々な批判もあるのですが、バブル崩壊後も98年まで消費は伸び続けたという現象はパルナ書房の売上数字とも一致するのです。

他に参考資料として上野千鶴子氏の著書を上げておきます。

三浦展氏と対談した「消費社会から格差社会へ」
西武グループ総帥の堤清二と対談した「ポスト消費社会のゆくえ」

上野千鶴子氏の本は難解なのですがこの2冊は対談なので読みやすくオススメです(笑)
現在に至る消費者の行動の変化は80年代から始まっていたということを語っておられます。
大変興味深く読みました。
また、ネオリベラリズム(新自由主義)と格差社会の相関関係についても言及され、
"ネオリベ信奉者は格差がお好き"と皮肉っておられます・・・
今は雑誌「文学界」に連載中です。

もっとも私の個人的な見解を申し上げると
ネオリベ化を阻止してもこの格差社会を避ける事はできなかったのではないかと考えます。
ネオリベとは関係なくインターネットは普及するでしょうし、
あらゆるところで価格競争は起こります。
鎖国でもしない限り否が応でもグローバル化の影響は受けたのではないでしょうか。
企業の雇用形態に規制をかけても新規採用減らし、海外に子会社を作ってしまえば
若者の所得減少→内需縮小→企業の雇用縮小という負の循環は止まりません。
町の本屋の経営をしてきたものとして、そういう実感を持ちます。
そして「デフレの正体」を読んで"やっぱりそうか"という思いです。

この格差社会への対応については次の機会にその希望(笑)、可能性について
語りたいと思います。

3.婚活時代
これはもう「婚活」時代で決まりですね。
著者は山田昌弘氏と白河桃子
http://www.d21.co.jp/products/isbn9784887596238

今回は少々重いテーマなので30代女子のちょっとシニカルな"笑い"を入れてみました。

話は変わりますが、
私、7月から新しいランニングサークルに入会しまして、
先日そのサークルの懇親会があり、酒席となりました。
私の座ったテーブルには30代後半と思しき女子が5名おられて、
全員独身だということが判明。
独身男子も4名いたので

ちょこっと、冗談で
男女交互に席替をしませんか?と言ってみたら
本当に席替となりました。

私がどんな男性が好みですか?と聞いたところ
「正社員」
との回答・・・

実は正社員で結婚願望がある"普通"の30代男子は売り切れ状態なんですね〜
そこに気がついていない30代女子の悲劇を描いてみました。
著者の1人山田昌弘氏は前出の「希望格差社会」の著者であるところがミソですよ。

本書とは関係ありませんが
チェックしておきたい日本語の変化がおこりました。
男も女も30代にして(子)がついているということです。
ちなみに最近は40代女性も40代女子の称号を得ました。
参照 雑誌「GLOW」宝島社 http://tkj.jp/glow/2012Sep/
既婚独身を問わずです…

4.無縁社会から孤独死

血縁
 地縁
  社縁
   無縁

現代の日本社会をよく表している言葉ですね。

ここに孤立死という事態が発生し
「特殊清掃」の出番となります。
http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799310106

参考資料に数年前にベストセラーとなった
遺品整理屋は見た」吉田太一

そういう社会状況を見越した生き方を提案する
「おひとりさまの老後」上野千鶴子
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784167801625
を上げておきました。

冒頭にアップした格差社会4コマ漫画は個人的に面白い出来と自負しておりますので
PDFとしてアップしておきます。
何か機会があればご自由にお使い下さい。
http://www.palna.net/kakusa.pdf