読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

パルナ書房

京の表は壬生、裏に回れば島原の町の本屋~2013年4月でパルナ書房は閉店いたしました。

時代小説作家、上田秀人の面白さの秘密       店長

時代小説はパルナ書房が最も力を入れているジャンルです。

そしてここ数年、特に注目している作家が上田秀人です。

抜群の売行き、
安心して読める筆力、
複数のシリーズを安定して出す筆の速さ
三拍子揃っているのです。

現在刊行中のシリーズ名を上げておきます。

奥右筆秘帳     講談社文庫
闕所物奉行裏帳合  中公文庫
お髷番承り候    徳間文庫
勘定吟味役異聞   光文社文庫(最近、新シリーズとなって刊行)

三文文士の部屋 上田秀人ホームページhttp://bunsi.jp/

上田作品の特徴は主人公が旗本、御家人といった幕臣であることです。
時代小説は捕物帳、人情物、といったジャンルが多いので
主人公も浪人や町人、あるいは小藩の侍が弱きを助け強きをくじくといったパターンが多いのですが・・・

上田作品の場合
主人公の幕臣が密命を帯びて幕政の闇を正すといったストーリが基本です。
そのために非常にスケールが大きい物語になります。
幕府を揺るがしかねない巨悪にただ一人その剣で立ち向かう。
相手も巨悪だが密命を出した上役も冷酷で信じ頼ることもできず、
ただ、武士の矜持のみが己を支えるといった、
極めて冷徹な重苦しい雰囲気に満ちた作品です。
また、徳川幕府にまつわる歴史ミステリーとしても楽しめる作品となっています。

その剣術もリアルで、切り口の見方など独特なものがあります。
切り口に指を入れてなぞり敵の剣の腕をはかるなど・・・実は理由があるのです。

大阪には上田の性を名乗る歯医者が四件ある
そのうちの一軒が上田秀人歯科医院である
歯医者だけに刀傷の描写も実にリアル
勘定吟味役水城聡四郎
この男の斬れ味、ご堪能あれ!

勘定吟味役異聞フェアのPOPの文面です。
上田秀人は実は大阪で歯科医院を開院されていて、
つまり二足のわらじなのです。
それでこの筆の安定感、信じられないですね。
剣の切れ味も鋭いはずです。

この情報は徳間文庫の大阪支店営業Y女史に教えていただきました。
ちなみに上田秀人の師匠筋が「闇を斬る」の荒崎一海で
その荒崎一海は元徳間文庫編集者
彼が歯科医院開院の際には医院名をフルネームにすれば
電話帳で目立つからとアドバイスを与えたとか

ここまで話が出来過ぎると、どこまで本当かわかりませんねえ〜(笑)
話の真偽は保証しかねますのであしからず・・・

このブログを書いた後で上田秀人先生ご本人からメールを頂きました。
下記引用です。

ブログについてですが、
わたしの診療所の名前は、ウエダヒデト歯科医院です。
あと、大阪に4軒ではなく、八尾市に4軒ありまして、
わたくしが、そのなかでもっとも遅い開業でしたので
他之先生方と区別するため、カタカナのフルネームに
いたしました。
ちなみにわたくしの開業は1987年で、小説クラブからデビューしたのが
1997年、荒崎先生と知り合ったのは2000年です。

とのことでした(2012/7/11)
やはり、荒崎一海と上田秀人の話には尾ひれがついたようです。
失礼致しました。

ただし荒崎一海の「闇を斬る」はオススメですよ。

個人的には上田秀人作品では奥右筆秘帳シリーズが好きですね。
読みこむうちにどこに正義があるのか、善悪の行方もわからなくなります。
幕政とはなんと冷酷なのかと・・・
こういった正義というものが安易に存在しない物語が好きです。
それだけに主人公の立花併右衛門の武士の矜持と柊衛悟の成長が鮮やかに引き立ちます。

パルナ書房では上田秀人作品は全巻フェア展開しております。