パルナ書房

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ポスト消費社会のゆくえ〜上野千鶴子

上野千鶴子は難解と敬遠するなかれ

対談ならすらすら面白く読めます。
なんとあの堤清二との対談です。
消費社会の行方をセゾングループを破綻させた本人に質すとは
上野千鶴子はやはり恐ろしい。

本書を読む前に
「消費社会から格差社会
を読んでおくことをオススメします。
下流社会三浦展との対談です
よって気軽に読めるのでご安心を
この対談で出た疑惑を「ポスト消費社会のゆくえ」において
本人から答えさせるというしかけです。

さてこの後に佐野眞一の「カリスマ」を読むとさらに面白い
こちらはダイエー中内功のお話
佐野眞一はくどいのが困り物ですが・・・しかも上下巻で分厚い
そして「戦後戦記」佐野眞一を読めばもう完璧
ゲップがでます。
気後れされた方は「カリスマ」をはずして
「戦後戦記」だけにしても可です。

日本の消費社会、それを支えた流通のたどった道
「ポスト消費社会」と「カリスマ」の共通項は東西の両カリスマを通して
戦後の日本のあり方を問うていることです。

理想社会の実現を目指したお公家さん
流通革命に燃えた成り上がり

惹かれるのは中内功、働くなら堤清二の下で(笑)

それにしても上野千鶴子佐野眞一
どうして勝者たる鈴木敏文を選択しなかったのはなぜでしょう。

「戦後戦記」では佐野眞一が対談していますが、
鈴木敏文の言葉は対談というより単なる質問への回答。
面白くもなんともない合理主義といった印象です。
その後に佐野眞一堤清二の対談が掲載されています。
こちらの対談も上野千鶴子に負けず面白しろいのですがそれだけに対照をなしています。

本書を読めば「堕ちたカリスマ」と単純に批判できなくなります。
怨念のような情熱や餓鬼の如くつきない欲望(佐野眞一風に)
あるいはその教養の深さや高い理想
凡人はただかしずくのみです。

ポスト消費社会のゆくえ

著者名:辻井喬(著)
上野千鶴子(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2008.05
ISBN :9784166606337
消費社会から格差社会へ

著者名:三浦展(著)
上野千鶴子(著)
出版社:河出書房新社
出版年:2007.04
ISBN :9784309244174
カリスマ 上巻

著者名:佐野眞一(著)
出版社:新潮社
出版年:2001.04
ISBN :9784101316314
戦後戦記

著者名:佐野眞一(編著)
出版社:平凡社
出版年:2006.06
ISBN :9784582824469