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パルナ書房

京の表は壬生、裏に回れば島原の町の本屋~2013年4月でパルナ書房は閉店いたしました。

京都音楽空間〜青幻舎

本屋は読者と本の出会いを提供する場、その本を執筆するのが作者で、編集出版するのが出版社。
しかし実はいわゆる問屋という存在が出版業界にもあります。それが「取次」
出版業界において、良くも悪くも最も大きな力を持ちながら読者にはほとんど知られていない存在です。
その取次の業界誌「日販通信」のコーナ「わが店のイチオシ本」にパルナのイチオシ本が掲載されることとなりました。


以下そのまま原稿から抜粋です。

京都音楽空間 新版

著者名:
出版社:青幻舎
出版年:2007.04
ISBN :9784861520938
東京に一極集中化した出版業界にあって、京都には他府県と違った特徴がある。地元出版社がとても元気なのだ。そして「京都本」コーナは地元京都で最も売れるジャンルのひとつでもある。
 テレビ欄もないのに毎月「★★ウォーカー」よりも売れる京都の化け物情報誌「LEAF」。全国的にベストセラーとなった『京都時代map』の光村推古書院。最近では今年春いきなり10点刊行した「らくたび文庫」のコトコト。どの版元も販売実績がすごい上に、その版元社主や営業マンと書店人が気軽に飲みに行けるような交流関係ができている。
 そして今回ご紹介したいのは青幻舎の『京都音楽空間』。
青幻舎は美術書系の版元。出版目録を開くとそこにはどれも美しく贅沢な装丁の書籍がばかりだ。
こうしてみると、出版文化とは流行に迎合しない出版社と新刊、ベストセラーに依存しない書店、そしてそんな本や書店を支持してくれる意識、感性の高い読者の三角関係によって成り立つのだと実感する。
 『京都音楽空間』は京の音楽シーンをカフェからレコード店まで幅広く紹介したひと味違った京都本だ。音楽のジャンルもジャズからクラブミュージックまで様々、京都の印象が変わるはず。
全ページ少しもやのかかったような憂いのある写真で統一、見開き二ページを使って一店を贅沢に紹介している。

店の成り立ちや店主の人柄はもちろん常連客、店のスタイル、雰囲気や匂い、熱気のようなものまで伝わってくる。掲載店の多さをアピールするような従来のガイド本とは一線を画しているのだ。
 本書で私が惹かれたのは「ZANPANO」。夕暮れ時の写真が静かな余韻を残している。この店がある左京は、鴨川と疎水の流れ、糺の森銀閣寺といった古刹と京大などの学生の街が交差。静と動、雑多な空間に洒落た店が点在する少々複雑で面白い街だ。いわゆる観光都市京都は表の顔。実は保守と革新、仏教勢力、同和問題、京都にはいろんな裏の顔がある。とってもディープなのだ。
その左京を中心に『京都音楽空間』巡り地図をPOPがわりに作ってみた。

(こちらからPOP地図をhttp://www.palna.net/kyotomp.pdfダウンロードできます。どうぞご自由にご活用ください)

 読者ターゲットは学生を中心に20代の音楽に関心の高い若者。しかし、若者だけに読ませるのは少々もったいない。本書によると京都の音楽ムーブメントは60年代に起こったとか。60〜70年代といえば大学紛争〜団塊の世代の青春時代だ。
熱い京都を知っている彼らにこそ読んで欲しい。
魅力ある大人にお勧めしたい1冊だ。


以上

なお、本文にあるように写真のPOP地図は以下のURLからダウンロードできます。
http://www.palna.net/kyotomp.pdf
書店、出版関係者のみなさん、また読者の方もご自由にお使いください。
ただし、この地図を片手に京巡りなどしないように
「京の闇」に迷い込んでも責任は持てません。
あしからずご了承ください。

※書店関係者様へ
「京都音楽空間」は王子流通センター及びKSCに在庫を置いていませんので
注文は青幻舎に直接電話もしくはFAX注文が確実です。
返品の際は「青幻舎営業部安田様了解済み」の返品了解書を添えておかないと逆送されます。
お気をつけください。