パルナ書房

京の表は壬生、裏に回れば島原の町の本屋~2013年4月でパルナ書房は閉店いたしました。

新書の氾濫

スケッチは3分
自転車で痩せた人
新書365冊
使える新書
使えるレファ本150選
去年3社の版元から新書の創刊がありました。

ソフトバンク幻冬舎、朝日

毎月各社から出る新書を20坪の小さな本屋でまともに仕入れると
新書平台に全て縦差し陳列しても追いつかない状況です
既刊本などは売れ筋以外まともに店頭に置けません。
次の新刊が出れば即返品です。

仕方がないのです
なにしろもう何社から出ているのかわからない
岩波、中公、講談社、筑摩、集英社、光文社、祥伝社、KKベストセラーズPHP、青春出版、角川、文春、NHK平凡社、宝島社、洋泉社
そして前出の三社、いやまだまだあるはずです。
さらに中公ラクレ、ちくまプリマー、講談社+αなど一社から複数のシリーズを出しているところも
毎月100冊以上出ているとか・・・
こんなサイト新書マップもあるぐらいです。

本来新書の役割は「教養」に気軽にふれるためのものであったはずですが
今では、最近の流行を素早く2時間でチェックするための小冊子に変わりつつます。
だったら文庫やムック(不定期の雑誌、サイズは色々ある)で良さそうなものです。

こうなるともはや単なる情報です
昔は新書の名著、定番というものがありましたが、
最近はベストセラーはあっても、10年後も残りそうなものはありません
小説と違って、あるテーマで書き下ろしたのが新書ですから
ひとつの新書が売れたら各社みんなそのテーマ、ジャンルで出しちゃうのです

これでは新書というジャンルがそのものが消滅するのではという気がします。
文庫との違いがわからなくなっているからです
各社毎月一冊だけという取り決めにできないものでしょうか
書店員なら賛同してくれるはず

とはいえ書店側も偉そうなことはいえません
氾濫しているなら選書すればいいようなものですが、
とても全部チェックできません
そんなことが可能なのは宮崎哲弥ぐらいでしょう。
こちらは発注するだけでも一苦労です。
ただ、このジャンルのもなら手堅く売れるというものがあります。
特に「日本語」「宗教」
「日本語」は日本語の歴史や成立、漢字と日本語の関係あたり
「宗教」は仏教それも空海親鸞ときどき禅、神道
いずれも古代史と絡めているので歴史好きな読者層も取り込めるところがミソ
「古代史」も売りやすいですね
まあ、単にパルナの店長がこのジャンルが好きだというだけかもしれません
あとは今流行の作家、斉藤孝、樋口裕一、養老孟司あたりか
Web2.0佐々木俊尚氏以外は当たりはずれが大きい。
格差・下流関連ももはや飽和状態
このジャンルは大きく分けて二つあるのですが、
今時の若者を論じたものとその若者を生み出した社会と彼らを搾取する企業について論じたもの。
いずれにせよ各社出し過ぎて何が何だかわからない状態です。
パルナの格差・下流コーナもひたすら拡大してどれを返品するかが課題となっています。
どうせならちょっと流行を外して
「スケッチは3分」「自転車で痩せた人」などは帯も工夫も面白く
著者の自転車に乗る前・乗った後の写真になっており楽しいです。

気をつけないといけないのが「対談もの」
対等な立場同士の対談ならいいのですが、
どちらかが相手の後輩だったり、ファンだったりすると
ひたすら「ごもっともごもっとも」のおべんちゃらで終わってしまうものもあります。

いろいろ新書にケチをつけましたが
こんなコラムをわざわざ書くということは私自身、新書好きなのです。
どれを買ったらいいか迷ったら
「新書365冊」 「使える新書」 「使えるレファ本150選」のようなガイド書をオススメします。
パルナでも「新書はどこまで使えるか」をテーマにコーナを作ったことがありました

10年後も定番、参考図書として残るような新書をご紹介していきたいと思います。
あとは異色もの変わり種みたいなものも

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